中年メディア編集長が日々思うことや時事ニュースをお届けします。

メディア編集長の日々徒然

アルコール依存の恐怖

最近「コロナ禍でみたアルコール依存のみ淵」という記事が話題になりました。
5リットルのウイスキーを2週間で飲み干すというものです。

普段、私たちはお酒の問題を軽視しがちです。

テレビを見ていると、たくさんのお酒のCMが流れています。美男美女が爽やかにそして美味しそうにお酒をたしなむ。それはもう絵になります。とても体に悪い物だとは思えません。

ここではアルコール依存について説明していきます。

お酒はドラマや映画には欠かせないアイテム

ドラマや映画などには必ずお酒の場が出てきます。

それぞれ親友仲間、恋人同士の語らい、家族のだんらんなど、お酒が出てこない場面がない程、それはもう日常に普通に存在するものです。

・お酒は場を盛り上げるのに必要
・お酒は人間関係作りには必須
・お酒は百薬の長。少量のお酒は健康に良い
・お酒は大人のおしゃれアイテム
・酒豪は偉い

芸能人やアイドルでもお酒好きをアピールする人が多いです。

そう、日本では特にお酒は必要不可欠なものとして育てられてきました。特にテレビの影響が大きく、毎日大量のCMが今でも流れています。テレビ局にとっては大事な大事なスポンサーです。その影響もありお酒は身近にあって当たり前、コンビニでも自動販売機でもすぐに買えてしまう、そしてアルコールが入ったグミまで売られています。

さらにお酒に酔って、事件・事故を起こしても、お酒を飲んで?なら「ある程度は仕方ない」という意識が多少なりともあったりします。

たしかに適量であれば、円滑なコミュニケーションやストレス発散になるかもしれません。しかし度を越して飲み続けるとどうなるのか。

なぜ罰を重くしても飲酒運転がなくならないのはなぜ? その答えは簡単でお酒を1杯でも飲んでしまうと善悪の判断ができなくなるからです。

お酒を飲んでいない時は冷静な判断が下せるのに、お酒を飲んでしまったら判断が曖昧になってしまうのです。それだけアルコールは冷静な思考を失わせてしまいます。

※よく目にする絵。お酒を飲むことで辛い現状を忘れさせてくれます。

アルコール依存症の特徴

誰でもなりうる病気

アルコール依存症は、多量に繰り返し飲酒することで誰にでも起こりうる脳の病気です。飲酒が習慣化してからアルコール依存になるまでに男性なら10年から20年かかると言われていますが、女性の場合は6年から9年とほぼ半分の期間です。

たまに飲む分には問題は少ないのですが、毎日、そして習慣化してしまったら危険水域と思って良いでしょう。アルコール依存の兆候としては以下のようなものがあります。

・お酒のことで家族や友人との仲がうまくいかない
・1日中延々と飲み続ける
・休日の朝酒
・2日酔いの向かい酒
・飲まないことによる禁断症状(手の震えや頭痛など)

さまざまな問題が起こる病気

飲酒が原因となる様々な問題があります

・認知・精神症状

飲酒による不眠。少量のアルコールでも睡眠は浅くなり中途覚醒が増え睡眠の質が低下します。
集中力、記憶力などの認知機能の低下、不注意(物忘れ、うっかり)が増えます。
アルコールを大量摂取した結果、いらいら、不安、罪業感、強い抑うつ症状などが発症します。

・健康問題

肝臓の障害、膵臓の障害、高血圧、糖尿病、高脂血症、、脳萎縮、脳梗塞、骨粗鬆症など
口腔がん、咽頭・喉頭がん、食道がん、肝臓がん、乳がん

※飲酒に喫煙が加わるとがんの発症リスクが高くなります。

・社会的問題

仕事、人間関係のトラブル、借金、暴力、飲酒運転など

・家庭の問題

夫婦関係のトラブル、子供への悪影響、親子間のトラブルなど。

慢性的な進行性の病気

アルコール依存症は糖尿病や高血圧と同様に慢性的な病気です。短い間だけ断酒すれば依存症が良くなるということではありません。

「まだ大丈夫」と依存症を放って飲酒していると、回復が遅くなるだけでなく、さまざまな問題がより深刻になり、あるいは突然死んでしまう可能性のある病気です。

否認の病気

本人がアルコール依存を認めないケースが多くあります。あきらかに依存しているのに「私はアルコール依存症ではない」と否認するのです。それは、認めてしまうとお酒が飲めなくなるからです。

お酒が飲めなくなると孤立感や不安感など自分を脅かすものと対峙しなければなりません。この「否認」はよくあることで、お酒が切れると無気力状態になり、アルコールが入ると調子が良くなる。

アルコール依存者にとっては、お酒を味わうというより、どうやって早く酔っぱらえるかどうかが大事なのです。

さいごに

アルコール依存症は家族も巻き込む病気です。依存症は本人だけでなく、家族も巻き込む病気なので、ストレスから家族も精神的、身体的な問題を起こしやすくなります。

お酒は美味しくて、気持ちよくなれて、愉快になれて、人生を楽しむためなら本当に最高の飲み物だと思います。できれば特別な時に嗜む程度がよいのかもしれません。

冒頭での話(角瓶5リットルを2週間で飲み干した)

角瓶5リットル(40%)のアルコール量は2000g。これはストロング系チューハイ(アルコール9%)500mlの45缶分。缶ビール(500ml)では100缶分。

<上記量を1日に換算すると>
・ストロング系(500ml)・・・3.2缶
・ビール(500ml)・・7缶

ストロング系を1日3缶飲む人は普通にいるような気がします。