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わかりやすくEV(BEV,HEV,PHEV,FCEV)について

2023年1月15日

脱炭素に向けて世界ではガソリン車から電気自動車へと大きく変化しています。
その電気にしてもいろいろな種類があり分かりにくい状況ではないでしょうか。

ハイブリッドは電気自動車なのか?
BEV、PHV、FCVは何が違うのか

ここではそれらの特徴をわかりやすく説明していきたいと思います。

 

EVの種類と違い

略名 正式名 詳細
EV Electric Vehicle
(電気自動車)
Vehicleはビークルと読みこれは車両の総称のことです。EVと呼ぶ場合は電気自動車(BEV)のことを指します
BEV Battery Electric Vehicle
(バッテリー式の電気自動車)
一般的な電気自動車のことです。内燃機関(エンジン)が搭載しておらず、車に内蔵されているバッテリーに外部から充電してモーターで走ります
HV
HEV
Hybrid Electric Vehicle
(ハイブリッド電気自動車)
内燃機関(エンジン)と電気モーター両方を搭載し、状況により使い分けます。外部からの充電は出来ず、減速時のエネルギーとエンジンで発電機を回すことでバッテリーに充電される仕組みです
PHV
PHEV
Plug in Hybrid Electric Vehicle
(プラグインハイブリッド自動車)
ハイブリッド車と電気自動車の中間にあたる車です。動力源としてエンジンと電気モーターの2つを搭載し(=ハイブリッド車)、それに加えて外部からバッテリーを充電することもできます(=電気自動車)
FCV
FCEV
Fuel Cell Electric Vehicle
(燃料電池電気自動車)
水素を燃料とするEVで、水素と酸素で電気を発生させる「燃料電池」が搭載されています。FCV(Fuel Cell Vehicle)とも呼ばれています

日本における電気自動車の普及率

こちらは、2021年(1月~12月)の日本における新車販売台数です。
それぞれ種類ごとに分かれていますが、EVの販売台数はシェア0.88%でわずか2万1千台です。

販売台数 シェア率
ガソリン車 1,183,128台 49.30%
HV 1,027,104台 42.80%
ディーゼル車 143,089台 5.96%
PHEV 22,777台 0.95%
EV 21,139台 0.88%
FCV 2,464台 0.10%
その他 161台 0.01%
合計 2,399,862台 100%

日本におけるEVの販売台数は世界と較べてかなり低い状況です。

それでも最新の2022年1月から11月までのEV販売台数は5万台を超え、これは2021年に売れた2万1千台の倍以上の増加になっています。シェア率で見ると全体の2%~3%です

中国では2022年の電気自動車(EV)の新車販売台数が21年に較べて81.6%増の536万5千台となりました。これは日本の新車販売台数全体を上回り100倍近く売れていることになります。

 

EVの種類と違い

BEV (Battery Electric Vehicle)

これから主流になるであろう電気モーターを積んだ電気自動車です。内燃機関を搭載していません。
主に一般家庭やEV充電スタンドから電気を充電して走行します。

代表的な車種としては、テスラ(ModelX,Model3,ModexS)、日産リーフなどがあります。

今は世界的なクリーンエネルギー車普及のため、エンジン自動車から電気自動車への過渡期です。2030年の新車販売台数に占める電気自動車のシェアはガソリン車を上回る51%と予想されています。(ボストン コンサルティング グループより)

しかし普及するには「バッテリー充電設備の普及」「電力問題」「充電時間の短縮」「航続距離の問題」「車両価格の高さ」等の課題が山積みであり、これらをどのようにして克服していくのかが今後の日本での普及の鍵となりそうです。

HV・HEV (Hybrid Electric Vehicle)

日本で最も普及しているのが、このハイブリッド車で、代表的な車としてはトヨタプリウスがあります。

内燃機関(エンジン)に補助的な電気モーターを搭載し「2つの動力で動く」という画期的な技術が用いられています。特に燃費の面でガソリン車よりも優れており、日本だけでなく世界でも多く普及しています。

ですが、脱炭素に向けて世界は動いており、今後はクリーンエネルギーという点で不利な状況です。

PHV・PHEV(Plug in Hybrid Electric Vehicle)

プラグインハイブリッド車は家庭の電源からもバッテリーに充電することができるハイブリッド車のことで、ハイブリッド車と電気自動車の長所を併せ持っています。

ハイブリッド車に較べて大容量のバッテリーを搭載することで、モーターで長く走ることができ、またガソリン消費を抑えることで排ガスを減らして走行が可能です。

満充電の状態ならモーターだけで68.2km(カタログ値)走行できるため、普段遣いの場合はピュアEVとしても使うことができます。ただし、普通のプリウスに比べて60万円~130万円程割高になっています。

FCV・FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)

水素で走る電気自動車で「燃料電池自動車」といいます。代表的な車にトヨタのMIRAIがあります。

車に搭載した燃料電池で水素と酸素を化学反応させて発電し、その電気でモーターを動かして走行する仕組みです。電気自動車と同様に走行中に二酸化炭素(CO2)や有害ガスを出さないため、環境に優れています。

問題なのは水素を補給するための「水素ステーション」が少ないことです。トヨタのページが水素ステーション一覧を検索すると全国で69箇所しかありません。(2023年1月時点)

今後の課題はどのようにして「水素ステーション」を普及させるかです。

電気自動車の補助金について

電気自動車を購入する場合、国から補助金を受け取ることができます。(申請が必要)
BEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド自動車)、FCEV(燃料電池自動車)が補助金の対象です。

この補助金はCEV補助金と言い、環境にやさしいクリーンエネルギー車普及のために設けられた補助金制度です。クリーンエネルギー車はガソリン車に比べて高価なので、補助金を出すことでガソリン車との差を縮め、購入促進を促します。

※CEV補助金のCEVとはClean Energy Vehicleの(クリーンエネルギービークル)略でクリーンエネルギー自動車全般のこと

さいごに

日本で新車を購入する場合、選択肢として電気自動車はないかもしれません。

CEV補助金があるので安く買えるのですが、そもそも電気自動車自体が割高なので、ガソリン車に較べてお得感がありません。それにバッテリー充電設備が近くにないと不安です。

何年か前にレンタカーで日産リーフを借りたことがあります。250キロくらいの距離を走るだけで2回も途中で充電しました。それも充電設備が都合よくあるわけではないので、遠回りしながら(冷や冷やしながら)充電した記憶があります。これでは安心して長距離は走れません。

今は航続距離は長く、EV充電設備も増えているかと思います。近くに「レンタカー」としてあればもう一度借りてみたいと思います。

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