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セルフネグレクトとは何か、その実態に迫る

セルフネグレクトをわかりやすく、自分の身の回りのことができなくなること。
自己管理が出来ず、栄養のある食事を取らない、お風呂に入らないなどの状態だ。20代から陥るケースも多い。

自宅にゴミが溜まり、風呂にも入らず、服を着替えない。失禁しても放置している。またそれを改善しようという気力を失う。

人間関係が希薄で支援を断り、周囲に助けを求めない。最悪の場合、孤独死するケースも増えている。

(TBS報道特集 2020年11月14日放送)を解説していく

セルフネグレクトとは=自分の世話を放棄する人のこと


生きていくために必要な食事や入浴を疎かにする人が増えている。セルフネグレクトに陥った人が孤独死してしまうケースもあるから深刻だ。

北海道旭川市賃貸アパートの一室。
清掃を依頼したのはアパートの所有者。3年前から借主が行方不明のため室内の整理を頼まれた。借り主が入居したのが17年前30代のとき。3年前から家賃を滞納し3ヶ月後には失踪。セルフネグレクトの前兆はトイレットペーパーの芯、ビニール袋の置きっぱなしの状態からスタートしている

資格試験(車両系建設機械運転者教本)の参考書が置かれている。借主は建設現場で多かった様子が伺える。

清掃業者は置いてある物から生活習慣が変わった時期を推測できると言う。

先程のゴミのところだと、お酒の裏のラベルを見ると2004年になっている。
2004年までは普通に生活していただろうし、何かのきっかけでパンと崩れていってしまったのでは。

この旭川のケースのように、生活環境が悪化しているのにそれを改善しようとする気力を失い、周囲に助けを求めない状況をセルフネグレクトという。
セルフは自分自身ネグレクトとは世話の放棄を指す。

内閣府が2011年に調査したところ、セルフネグレクトの高齢者は推計で最大1万2000人に上った。東邦大学の岸教授によると、数字は氷山の一角で実際の数はもっと多いと話す。最近は働き盛りにも広がっているという

その原因として、一人暮らしが増えてきた。今までは家族の人が何とかしてくれたり、注意してくれていた。
2番目として物を手に入れることは簡単になったが、手放すことが非常に難しくなった。分別をしなければ手放すことができなくなった。

3トンのゴミ屋敷の清掃(借主自ら依頼)

部屋を汚した借主自らが清掃を依頼するケースがある。

猛暑が続いた夏。東京の賃貸アパートにする借主自身から業者に清掃の依頼があった。男性は39歳。10年間住み続けた部屋を引っ越す前に片付けを決意したという。

5年前からゴミが溜まったという。

ゴミを貯め、エアコンのリモコンを紛失した生活が5年以上続いている。

業者:「仕事何してるんでしたっけ」
借主:「派遣でいろんな現場行ってるんですけど、主に工場・倉庫が多いですね」

ゴミのかさが増えることによって部屋の中で出来ることが限られていった。
冷蔵庫もドアが開けられず使っていない。上からの重みでドアが押し固められ撤去が難しくなっている。

業者:「たぶん前はちゃんと生活していましたよ。炊飯器、包丁あるでしょ」

作業員5人が5時間かけて3tのゴミを運び出した。分別して処分場に持ち込むという。

後日、借主の男性を改めて訪ねた。キレイになった部屋で話を聞いてみると

男性:「(風呂は)汚くなってたんで湯船にはつからなかったが、シャワーで入ってました。だんだん慣れてきた部分はありますね。はたから見たら汚くて考えられないんですけど」

部屋に住み始めた当初は自炊も掃除もしていた。生活が変わったきっかけは派遣社員として週7日働くことになったからだという。

男性:「現場の忙しさで仕事の方を優先して、仕事で稼ぎたくて。特にこの暑い中くたくただ帰ってきて片付ける気もおきなくて」

仕事帰りに立ち寄るコンビニで弁当とペットボトルを購入する。最初にゴミとして溜まりだしたのはペットボトルだ。
まとめて捨てようと思っていたが、それが何年も溜まっていったという。

田舎の実家で暮らしていた時は親の目も気になった。東京に出てひとり暮らしになり訪ねてくる友人もいないため、掃除をしなくても支障がなかった。

男性:「(人間関係が)希薄になっているというのはある。たまの休みで面倒になり人と過ごすより一人が好きなせいもあるかもしれない」

セルフネグレストは誰にでも起こり得る

ごみ屋敷の片付けや特殊清掃などを行う会社。

この会社ではひとりでは片付けられない人からの依頼が増えているという。
多いときは1週間で20件以上あるという。

社長:「(依頼者は)性別女性が7割、年代は20代、大学生くらいから上は50代、60代手前くらいが一番多いですよね

根本的に片付け・掃除ができないから散らかった、汚れたというのは以外に少なくて、あそこまでいってしまうのは要因は別だという。

セルフネグレストは社会的に孤立しがちな一人暮らしの高齢者に多いとされる。しかし必ずしも高齢者だけに見られるとは限らない。社会、近隣との付き合いが薄れ孤立したり、何らかの原因で職を失ったり、慢性的な病気で体を動かすのがつらくなったりとその原因は多岐に渡る。

そして怖いのが自己判断力の低下だ。人に迷惑をかけたくない、他人に見られたくないなどと問題を放置し、人に頼ることを拒否し、孤独死するケースが増えている。

セルフネグレクトに陥った人の孤独死を防げないか

セルフネグレクトに陥った人の孤独死を防げないか。働き盛りを対象に始めた安否確認のLINEアプリを始めた人もいる。

きっかけは自らの弟が突然死したことだった。

アプリ開発者:(弟は)風呂付きのマンションではあるんですけれども、浴槽に水を溜めた形跡がない。風呂に入った形跡がない。別に生活に困っていたわけではないが、冷暖房の設備に無頓着な弟だった。自宅には暖房設備もないしエアコンもなかった。

受け取る頻度と時間を設定し、安否確認メッセージが届いたらOKボタンを押すだけだ。
反応がなければ再度安否確認を行い、それでも返答がなかった場合は登録してある連絡先に連絡する。現在1700人程が利用している。

今日返事が来ていない人がいました? はい。二人いました。

働き盛りを対象に加入者を急激に増やすきっかけがあった。感染が急拡大した新型コロナウイルスだ。外出自粛により人との接触が減ったことで不安を持つ人が増えたという。

さいごに

風呂に入らない、片付けない、食べたら食べっぱなしという要素は誰にでもあることではないか。それが日常化することで、それが当たり前の生活に変わってしまう。


家族と暮らしていれば当然注意を受けるだろう。人目があれば多少は気をつけるだろう。だが一人暮らしの場合だとそうはいかない。自分自身がその環境を許し(思考低下)自己管理ができなくなってしまう。

ゴミは増え、衛生上の問題も発生する。当然こうなれば人を招くこともできない。自然と社会からの距離が遠のいていく。

セルフネグレクトは誰にでも陥る危険性があることがわかった。

一番の原因は人間関係が希薄なところにありそうだ。特に独り暮らしの部屋で誰も来ない人は要注意かもしれない。

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