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妊娠中・授乳中の方は注意!お茶のカフェイン量は危険

カフェインには覚醒作用があり、摂取することで眠気がなくなったり集中力が増したりします。
また頭が痛いときの鎮痛作用や、疲れた時の疲労回復の効果もあります。

身体に様々な変化を起こすカフェインですが、それを過剰摂取すると健康への悪影響が知られています。
そして特に気を付けなければならないのは、妊娠中・授乳中の方、そもそもカフェインに対して免疫がない方々です。

コーヒーやエナジードリンクなら危険だが、お茶は大丈夫だろうと思われている方が多いのではないでしょうか。それがそうではないことを図解として説明していきたいと思います。

お茶に含まれるカフェインは以外に多い

多くの飲み物にはカフェインは含まれています。
代表的なものはコーヒーですが、それに負けないくらい実はお茶にもカフェインが含まれているのです。

今回は、北海道立消費生活センターの解析結果を元にわかりやすく表とグラフにしています。

下の表はそれぞれ(緑茶、烏龍茶、紅茶、ほうじ茶、ジャスミン茶、コーヒー、コカ・コーラ、レッドブル(エナジードリンク))に種類を分け、それぞれの1本分のカフェイン量を比較しています。


※カフェイン量の単位はmg
※コーヒー185ml、レッドブル350ml、他500ml


お茶系については、1本で約60mgのカフェインが含まれています。
1本あたりのカフェイン量を比較した場合、どの種類もそれほど大差ないのががわかります。

そして驚いたことに、カフェインの代表格であるコカ・コーラよりもお茶の方が多くのカフェインが含まれています。イメージ的にお茶はミネラルウォーターに近い飲み物で安全と思っていましたが、実はカフェインを多く含む飲み物だったのです。

では、そもそもカフェインとは何なのでしょうか?
それほど人体に影響を与えるものなのでしょうか?

カフェインとは

カフェインとは、コーヒー豆や茶葉など天然に含まれている食品成分の一つです。

主に覚醒作用があり、カフェインを取ることで頭が冴え、集中力アップ、眠気防止効果等があります。そのため「コーヒー」やレッドブル等の「エナジードリンク」、また効用を謳った「眠眠打破」などが好まれる理由です。

なぜカフェインには眠気覚ましの効果があるのか?
これはカフェインが脳内で眠気を作り出す「アデノシン」という物質をブロックするからです。


出典:内閣府 食品安全委員会

アデノシンが脳内で働くと、人は「リラックス効果」を感じるようになります。カフェインを摂取するとそのアデシノンがアデシノン受容体に取り込まれる際にカフェインが受容体に取り込まれないようにブロックします。そのためアデノシンは結合できず、心拍数を上げ興奮状態にするのです。

鎮静化作用を阻害して興奮状態へ!!

カフェインの許容量

米国食品医薬品局(FDA)は、健康な大人では1日当たり400mgまでであれば体への危険な悪影響はないとしています。ただし、妊婦、授乳婦、妊娠が予定されている方や服薬している方は影響を受けやすくなる場合があると記載されています。

欧州食品安全機関(EFSA)は1回当たり200mg(体重70キロの場合、1kgあたり3mg)のカフェイン摂取であれば健康リスクは増加しないとしています。また妊婦を除く大人では1日当たり400mgまでであれば健康リスクは増加しないとしています。

同時に、妊婦及び授乳婦については、習慣的なカフェイン取得に関して、1日当たり200mgまでであれば、胎児や乳児の健康リスクは増加しないと評価しています。

上記出典:農林水産省カフェインの過剰摂取について

妊婦及び授乳中の方については、1日当たりおよそ200mgまでであればカフェインを摂取しても健康上問題ないと言えます。200mgといえば、500mlのペットボトルおよそ3本分です。

カフェインの有害性

健康な成人であれば1日400mg未満、妊娠中、授乳中の方であれば200mg未満が一日の摂取量として推奨されています。200mgであればお茶の場合500mlのペットボトル3本分相当、1.5リットルです。

最後にカフェインを過剰摂取した際の有害性を書いていきます。

カフェインはアデノシンをブロックして覚醒作用を起こします。正常な状態(心拍数が下がりリラックス)から心拍数を上げ興奮状態にします。カフェインを過剰に摂取すると、心拍数の増加、震え、不安、めまい、不眠が起こります。消化器官の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。

さらにカフェインの長期的な作用としては高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦の過剰摂取により胎児の育成を阻害する可能性が報告されています。また母乳を通じて赤ちゃんの寝付きが悪くなったり落ち着きがなくなることもあります。

出典:オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関

逆に有用性も報告されています。
コーヒーについては肝がんを抑える効果があること、お茶については心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患等による死亡リスクを下げる傾向を示したデータも報告されていること等です。

上記のことから、妊娠中、授乳中の方はなるべくコーヒーやお茶は控え、ノンカフェインのお茶やミネラルウォーターを意識して飲むようにしましょう。